Writer by Aiko Imai
(Yoga teacher)
フランスの思い出を振り返ってみたら、パンとチーズとワインがどこで買っても安くて美味しすぎたことと、街が本当におしゃれで美しくて、自分まで素敵な女性になれたような高揚感で満たされたこと。それに尽きてしまいました。
そこで、私の記憶に残った3人の男性のお話をしたいと思います。
夕方、パリのカフェのテラスで1人ワインを飲んでいたときのこと。
1人のフランス人の男の子が入ってきて席を探していました。
私は2人がけテーブルをくっつけた4人席にすわっていたので、横のテーブルを少し離して彼に譲りました。
しばらくして、ガールフレンドが彼を迎えにきたようで私に何か一言いって去っていきました。
きっと、さよならかお先にとかなんだろうなと思って笑顔で返しておきました。
そして、いざ私も帰ろうとお会計をお願いしたら、「横の彼が払ったからいらないわよ」とお姉さん。
へ?????は????
びっくりしすぎました。
どうやら席を譲ってあげたお礼にご馳走してくれたようです。
彼はコーラを飲んでいて、おそらく学生くらいの若さでした。
席を譲っただけなのに。
コーラよりワインの方が高いのに。
どうやって育ったらこんな紳士になるのでしょう。
2人目は、トゥールーズのホステルのベランダで好物のゆで卵を食べようとしていた時のこと。テーブルにたまごを置いていたら、傾いていたようでコロコロと転がっていき、なんとベランダの柵の間から下へ落ちてしまいました。慌ててのぞいたら、、、なんとちょうど真下の階のベランダで読書しているおじさまがいらっしゃるではありませんか!
私のゆで卵はどうやら彼の方に直撃したようでした。
彼は目を丸くしてびっくりしていました。当たり前ですよね、上からゆで卵降ってきたのだから。私はとにかく平謝りです。ゆで卵って結構硬いから、絶対に絶対に痛かったはずなんです。
それなのに彼はこう言ってくれました。
「大きな鳥がたまごを産み落としたのかと思ったよ。よかったよ、中身がひなじゃなくて。」
そんなジョーク咄嗟にでますか??
心の広さに感謝しかありませんでした。
3人目の彼はホステルの朝食時に出会ったフランス人。たわいもない会話をしていて、私がヨガのインストラクターだと話したら、旅をしながら旅先で仕事ができるから羨ましいよって言われました。そうなんだけどさ、、、英語で教えられないから無理だわって答えると、
「え?今話してるのは何語?英語でしょ? 10回練習すればそれなりにはできるようになる!練習したらいいよ」って笑顔でさらりと言う彼。
こんなに前向きにまっすぐに背中を押してもらったのは初めてです。めちゃくちゃ当たり前のことを彼は言ってくれてるだけなのですが、意外と誰も言ってくれませんでした。そして私は今、少しずつ練習中です。
私は外国人男性とお付き合いしたことがないので、よくわかりませんが、良い悪いは別として、少なくともこういうちょっとしたセンスは日本人にはないところですよね。
この3人に共通することは、相手への思いやりや気遣いがあるからこその行動や発言です。だからこそ私の心にこんなにも残る思い出になったんだと思っています。
たまたま男性ばかりでしたが、女性でも見習える部分はあるはず。どんな相手にも思いやりをもって、心を配れる人であるためには余裕が必要です。常に余裕をなくさないようにしたいですね。

Aiko Imai
神戸市出身
ヨガインストラクター
ISHTA YOGA RYT500
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