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Where is your final destination(最終目的地)?〜Aiko's Journey〜

Where is your final destination(最終目的地)?〜Aiko's Journey〜

Writer by Aiko Imai(Yoga teacher) スリランカへ向かうためトルコの空港でチェックインした時のこと。カウンターの強面お兄さんにこう聞かれました。 Where is your final destination(最終目的地)? え?って一瞬なりました。 お前は一体どこへ行きたいんだ?? (私の脳内での翻訳はこんな感じでした笑) そうだよね、こんなに世界中をフラフラしてたら怪しいよね。 私の旅の最終目的地???どこ?日本?? うん、一応は日本だな。 いやいや違います。 乗り継ぎ便だったので、コロンボ(スリランカ)が正解です。このお兄さんは私の旅のことなんぞ知ったこっちゃない。 普通の質問なのに、電車とバスにばかり乗っていて久しぶりの飛行機。 すっかりボケている私です。 でも思ったのは、自分の最終目的地ってどこなんだろうってこと。 自己啓発や、セルフブランディングなどでもよく耳にしてきました。 先の自分のプランを描くこと。 1年後、5年後、10年後の自分はどうなっていたいのか。細かい描写であるほうがいいとも聞きます。 しかし私はそういうことが何より苦手。長年目を背け続けて今にいたります。明日のこともわからないのに、先のことなんてわからない。そう言い訳しながらここまで来ました。でも今回チェックインカウンターで聞かれてはっとしました。 目的地がないと飛行機にはのれません。 そもそも航空券すら買えないです。 目的地がないと飛行機はとびません。 飛んだとしてもぐるぐるして着陸できません。 旅を続けてみてようやく目的地を明確にすることの意味が、すっと自分の中で腑に落ちました。おっそ笑 乗り物に置き換えてみたらなんとわかりやすいことでしょう。小さい子供でもわかるレベルです。 こうなって初めて私は自分の目的地というものを改めて考えるようになりました。 ぼんやりとしたものはもともとあるけれど、ぼんやりでは着陸できません。 行きたい場所じゃないと意味がない。...
〜Aiko's journey〜 Milano編

〜Aiko's journey〜 Milano編

Writer by Aiko Imai(Yoga teacher) 今回の私の旅の目的は2つあります。世界中のヨガスタジオを巡ることと、もう1つは世界中に住む友人たちに会いに行くことでした。 たくさんの友人が世界各地に住んでいます。学生時代の友人、社会人になってからの友人、神戸の友人、東京の友人、世界で出会った友人、いろいろです。 いつかみんなの住む場所を訪れたいとずっと思っていました。もともとは個別で訪れるつもりでしたが、そんなことしてたら私の短い人生はあっという間に終わってしまう!! そう気づいて全部を一度にまわることにしたのです。 イタリアのミラノに会いに行ったのは、大学生時代の友人です。 彼女とはコロナ中に一度テレビ電話したけれど、実際に会うのはおそらく10年以上ぶり! 久しぶりの再会と初めてのミラノは楽しみでしかなく会える日を心待ちにしていました。 ヨーロッパに入ってからの移動は飛行機には乗らず、すべて陸路での移動にしていました。 時間ならたくさんあるので、電車での旅をめいっぱい楽しむことにしたのです。 ヨーロッパの車窓はどれだけ見ていても飽きることなくて、5時間ほどの旅ならあっという間でした。まさに「世界の車窓から」そのままの旅でした。 さて、そんな私が選んだミラノへの移動手段は、ヨーロッパで初めての長距離バス。 ネットで移動手段を調べてみたら、ダントツの安さであがってきたのがこのバスでした。 フランスのマルセイユからイタリアのミラノまでの9時間で、たしか5,000円しなかったと思います。(実際には10時間かかりました) この長距離バスにつきましては長くなるので割愛しますが、よかったらインスタの記事を読んでみてください。 そんなバスでの珍道中を経てようやくたどり着いたミラノ。 久しぶりの友人と抱き合って感動の再会をはたすも、会わなかった時間なんてあっという間に埋まりました。再会してすぐに学生時代の感覚に戻れてしまうのが恐ろしいところ。もはや20年以上の時空のゆがみです(笑) 私の友人たちはみな(これは全友人に共通します)、「どこに行きたい?」「何が見たい?」 「やりたことはない?」と必ず聞いてくれます。しかし、私は全くと言っていいほど観光に興味がなくてヨガしたいだけ。なんともやりがいのない客人ですよね(笑) そんな私の旅はややもすれば、どこにいても同じような日々になりがちです。しかし世界中の友人たちはそんな困った来客を、あれやこれやともてなしてくれて、色々な場所へと連れ出してくれるのです。 ミラノの友人がまず連れて行ってくれたのはトリノ。ミラノから車で片道2時間弱の場所にある街です。私の知るトリノなんてオリンピックが確かあったよね・・レベル。そして私はミラノで十分に満足なので一人なら絶対行かない場所です。 時期は9月下旬。ちょうど秋めいてくるころでした。 トリノは美食の街としても有名らしく、秋のトリノはポルチーニ茸やトリュフが旬とのこと! はい、最高のタイミングで行くことができました。 ランチからワインと共にいただく贅沢ったらありません。日本でも食べたことはあったけど、比にならない美味しさで感動しました。もうね、今すぐにでもあの瞬間のあの場所に戻ってもう一度食べたいくらいです。 食事って何を食べるかも大事ですが、私は誰と食べるかが一番大事だと思っています。 節約しているのもあるけれど、私一人の時の食事なんてお粗末すぎて恥ずかしいほどです。 バゲットとチーズ、ゆで卵、リンゴ、人参・・・(もはや動物の餌)。 でもその分誰かといるときはめいっぱい食事を楽しむことにしています。 そんなわけで最近の私からしたらとんでもないご馳走でした。 旬の美味しいものを大好きな友人と笑いながら楽しく食べる。...
〜Aiko's Journey〜 フランスで出会った男性たち

〜Aiko's Journey〜 フランスで出会った男性たち

Writer by Aiko Imai(Yoga teacher) フランスの思い出を振り返ってみたら、パンとチーズとワインがどこで買っても安くて美味しすぎたことと、街が本当におしゃれで美しくて、自分まで素敵な女性になれたような高揚感で満たされたこと。それに尽きてしまいました。 そこで、私の記憶に残った3人の男性のお話をしたいと思います。 夕方、パリのカフェのテラスで1人ワインを飲んでいたときのこと。 1人のフランス人の男の子が入ってきて席を探していました。 私は2人がけテーブルをくっつけた4人席にすわっていたので、横のテーブルを少し離して彼に譲りました。 しばらくして、ガールフレンドが彼を迎えにきたようで私に何か一言いって去っていきました。きっと、さよならかお先にとかなんだろうなと思って笑顔で返しておきました。 そして、いざ私も帰ろうとお会計をお願いしたら、「横の彼が払ったからいらないわよ」とお姉さん。へ?????は????びっくりしすぎました。どうやら席を譲ってあげたお礼にご馳走してくれたようです。 彼はコーラを飲んでいて、おそらく学生くらいの若さでした。 席を譲っただけなのに。 コーラよりワインの方が高いのに。 どうやって育ったらこんな紳士になるのでしょう。 2人目は、トゥールーズのホステルのベランダで好物のゆで卵を食べようとしていた時のこと。テーブルにたまごを置いていたら、傾いていたようでコロコロと転がっていき、なんとベランダの柵の間から下へ落ちてしまいました。慌ててのぞいたら、、、なんとちょうど真下の階のベランダで読書しているおじさまがいらっしゃるではありませんか! 私のゆで卵はどうやら彼の方に直撃したようでした。 彼は目を丸くしてびっくりしていました。当たり前ですよね、上からゆで卵降ってきたのだから。私はとにかく平謝りです。ゆで卵って結構硬いから、絶対に絶対に痛かったはずなんです。 それなのに彼はこう言ってくれました。 「大きな鳥がたまごを産み落としたのかと思ったよ。よかったよ、中身がひなじゃなくて。」 そんなジョーク咄嗟にでますか?? 心の広さに感謝しかありませんでした。 3人目の彼はホステルの朝食時に出会ったフランス人。たわいもない会話をしていて、私がヨガのインストラクターだと話したら、旅をしながら旅先で仕事ができるから羨ましいよって言われました。そうなんだけどさ、、、英語で教えられないから無理だわって答えると、 「え?今話してるのは何語?英語でしょ? 10回練習すればそれなりにはできるようになる!練習したらいいよ」って笑顔でさらりと言う彼。 こんなに前向きにまっすぐに背中を押してもらったのは初めてです。めちゃくちゃ当たり前のことを彼は言ってくれてるだけなのですが、意外と誰も言ってくれませんでした。そして私は今、少しずつ練習中です。 私は外国人男性とお付き合いしたことがないので、よくわかりませんが、良い悪いは別として、少なくともこういうちょっとしたセンスは日本人にはないところですよね。 この3人に共通することは、相手への思いやりや気遣いがあるからこその行動や発言です。だからこそ私の心にこんなにも残る思い出になったんだと思っています。 たまたま男性ばかりでしたが、女性でも見習える部分はあるはず。どんな相手にも思いやりをもって、心を配れる人であるためには余裕が必要です。常に余裕をなくさないようにしたいですね。   Aiko Imai 神戸市出身 ヨガインストラクター...
〜Aiko's Journey〜 ヨーロッパ編

〜Aiko's Journey〜 ヨーロッパ編

Writer by Aiko Imai(Yoga teacher) 今回の旅でどうしても体験したかったことの一つに、"英語以外の外国語でヨガを受けること"がありました。 今までアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの英語圏はもちろんのこと、香港、マレーシア、シンガポール、バリなどでもヨガを受けてきましたが、どこも全て英語でした。 アジアなどは現地の人よりも、外国人の方ががヨガを受ける人が多いのもあって、レッスンもホームページも英語だったりします。 私は英語を流暢に話せる訳ではないですが、ヨガ英語ならかろうじて理解できます。でも英語以外の外国語はさっぱりわかりません。 わからない中で受けてみたらどんな感覚なのか体験してみたいのには、実は理由があります。 今回の旅で私はイスラエルへ行く予定でした。 イスラエルに住む友人を訪ねて。 初めてのイスラエルに心を躍らせていたのですが、皆さんもご存知のように戦争が始まってしまい途中で断念しました。 実はそのイスラエルに住む友人は、もともと私のヨガを受けに来てくれていた生徒さんなんです。 彼女はイスラエル人で、日本語は全く話せません。もちろん私のレッスンは英語でもなく日本語で行うので、彼女は全く理解できないはずです。それにもかかわらず、私のレッスンが好きだといって日本に滞在している数ヶ月の間通ってくれたのです。 そんなにも気に入ってくれたことは、感動であると同時に驚きでもありました。言葉がわからない中で受けてみて、どう感じて、どんなふうに気に入ってくれたのか、実際に自分も体験してみたくてしかたなくなりました。 アメリカ最後の街ニューヨークのあと、私はパリにいきました。 フランス語でヨガってどんなだろうかと思ってワクワクドキドキしていたのですが、フランス人の皆さんめちゃくちゃ英語が堪能です。 私が外国人だとわかると、半分以上英語を織り交ぜてレッスンをしてくれました。 嬉しいやら、ちょっとがっかりやら複雑でした笑 そしてパリから今度はスペインへ。 海沿いのグルメな街サンセバスティヤンでもヨガを受けてみました。スペインのヨガスタジオはどこもおしゃれです。 今度こそ完全スペイン語のみのレッスンを受けることができました。 もちろんさっぱりわからず、周りの人の動きをキョロキョロみながらの75分でした。 スペインの次はイタリアのミラノへ。 ここでも完全イタリア語オンリーでのレッスンを受けてきました。 三ヶ国語で受けてみて思ったのは、なんとなく受けることはできるってこと! もちろん先生の話す細かな内容が理解できないので、そういう面では勿体無いし意味もないのかもしれません。でもきっと先生の話す声とかテンポとか、クラス全体の雰囲気とかそこが自分にしっくりきたらそれで心地いいのかもしれません。私の友人はきっとそういうところを気に入ってくれたんだと思います。 そして全ての言語に共通するのは、息を吸って、息を吐いてのヨガで大事な単語が、とても似通っていることです。 この二つの言葉がわかれば俄然動きやすくなります。あとはポーズの名前も万国共通なのでわかりやすいです。 とはいえ、海外でヨガ受けるのってなかなかハードルが高いですよね。 でも少しでも受けてみたい気持ちがあったらぜひチャレンジしてみてください。 勇気を出して一歩ふみだしてみたら、あとはどこも同じです。ヨガマットの上は年齢も性別も人種だって関係ないのだから♡ inhale(英語) →...
〜Aiko's Journey〜NY編

〜Aiko's Journey〜NY編

Writer by Aiko Imai(Yoga teacher) 旅に出る前、何人かに言われました。 「こんな円安の時によく行くね」と。 そう、今時代は絶賛円安祭りです。 よほど貯金があるんだろうと思われたりもしましたが、全くです。我ながらまだ帰らずにすんでいることが不思議でしかないくらいの額で日本を飛び出しました(笑) さて、いざ外に出てみると本当に全てが高い。 円が安いのもありますが、それ以前にそもそもの物価が日本とは桁違いだったりします。 SNSでもよく見かけますが、ラーメン一杯3,000円、コーラ一本500円などは本当です。 最初はショッキングすぎましたが、だんだんと慣れてくるものです。お財布ではなく感覚だけが笑 なのでとにかく無駄使いしなくなり、本当にそれが必要なのか慎重に買い物をするようになりました。なんとなく買えるって、実は必要でないものを買っていたのかもしれません。そしていちいち円換算してしまうとビビって何もできなくなるので、それも途中からやめました。 そしたら翌月にカードの支払い見て白目を剥きました(涙) 中でも1番高かったのは、ニューヨークのホテルです。 移動に便利なマンハッタンでホテルを探すと、最低でも1泊3〜4万円するんです。決して高級なホテルでないのに。私が前回ニューヨークに来たのはコロナの前。その頃は一泊1万円ちょっとでもそこそこのホテルに泊まることができていました。それが4万とは、それこそ目を疑いました。2、3泊したら1ヶ月の家賃です(チーン) さすがにそんな贅沢はできないので、なんとか見つけた最低価格はそれでも1泊2万円。場所は悪くなく、むしろとても便利な場所です。そのホステルのビルの扉を開けるとすぐ階段でした。まさか5階まで巨大な荷物を抱えてこの階段をのぼることになろうとは、予約の段階で知らなくてよかったです(2度と嫌です) 息切らしながら辿り着いたそこは、ほぼ漫画喫茶のようなせまーい個室。。ベニヤ板一枚の壁で隣と隔てているので、全てが聞こえます。あえていいませんが、人が発する全ての音が聞こえるのです笑 部屋のサイズはまさに畳一畳分。私で足がギリギリ伸ばせる程度。大きな男性を何人か見かけたけど、彼らは果たしてどうやって寝ているのかと気の毒にすらなりました。 トイレもシャワーも男女共同で、落ち着くには程遠い雰囲気のこのホステル。でもラウンジにはブッダやガネーシャがいたり、枕元にバガヴァットギーター(ヨガの教典です)が置いてあったりと、ところどころにヨガを感じさせます。 ヨガクラスのポスターも貼ってある。聞けばヨガスタジオも経営しているようでした。ヨガにご縁があるわーと嬉しくなったのですが、今回は時間が合わずこのスタジオへはいけなかったので次回必ず行くつもりです。 そして慈善活動も行っていて、宿泊するだけでホームレスの人の援助にもなることがわかりました。そう思ったら、多少高くても払って良かった、居心地が良いとは言えないけれど泊まってよかったとすら思えたのです。 ニューヨークは、コロナを経てホームレスが増えて治安が以前より悪くなっているそうです。 これはアメリカに限らずで、カナダやヨーロッパの友人からも同じように忠告されました。 中学生の門限の如く、暗くなる19時には帰宅する日々だったので危ない目に遭うことはありませんでしたが、それでも以前とは違う空気は十分に感じました。 コロナを経て変わったものは、私の今回の旅の1番の目的であるヨガも同じです。 ニューヨークには、私が学んだイシュタヨガのメインのスタジオがあります。イシュタのスタジオもコロナを経て一時期はクローズしていました。 何度も訪れていた大好きな場所だったのですごく悲しかったのですが、移転して再開した新しいスタジオへ行くことができました。 陽がたくさん入り明るいとっても素敵な空間で、新しい場所でも昔のスタジオの面影が残されていて思わず涙がでました。 コロナでスタジオをもたずに、オンラインのみのレッスンに変えたスタジオも多いようです。 直接訪れたかった私には、とても残念だったのですが、コロナでどこにも行けない頃、そのオンラインにどれほど救われたかはしれません。 そして、現に今私も旅をしながらオンラインでレッスンをすることもできています。 コロナで変わってしまったこと、失ったもの、それはきっとたくさんたくさんあります。 だけれどもきっとそれと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上に得られたものもあるはずです。...