WE'RTHY STORIES Episode2:CHICO SHIGETA Part2

WE'RTHY STORIES Episode2:CHICO SHIGETA Part2

自己肯定感にアップダウンがあってもOK。
ただ自分が「在る」ことの価値に立ち還ればいい

 

こんにちは! 野沢和香です。
そのひと本来の美しさを引き出す天性のセラピストであり、セルフケアやSelf Loveのエッセンスを日本で先駆者的に発信し続けている、SHIGETA CHICOさん。前回のインタビューでは、太陽みたいな明るさを携えて世界的に活躍するCHICOさんが、もともとは自己肯定感が低いところから始まったことにも驚きを隠せなかったけれど、そこからさまざまなステップを踏むなかで、どんなマインドセットに後押しされ、どんな実践を積み重ねてきたのだろう?

Part2では、そんなCHICOさんの自分自身との向き合い方、これまでの道のりと今についてを伺いました。

 

「振り返る時間」がくれるもの

CHICO「私も自己肯定感が低いところからいろんなフェーズを進んできたんだけど、今でも常に自分のことが大好きかって聞かれるとアップダウンがあって、でも『それでいい』と思っているの。
自己肯定感が低いときも、まずはそんな自分に気づいてあげて、『I'm Worthy!』っていう意識に立ち還ることができればいいと思うから。私の場合、とくにブランドを立ち上げた後は忙しすぎて自分を振り返る余裕もなかったんだけど、あるとき年に1回、12月31日に1年を振り返る時間を持つことにしたの。1年分のアジェンダを振り返って、どんなビジネスや取り組みができたのか、一年を見つめ直してみたら、想像以上に『私すごいじゃない!こんなこともできた!』が沢山あった。もちろん、そういう機会をもらえたのは誰かのおかげだったとしても、今の自分だからこそそのチャンスをもらえた訳で『この経験自体がすごく価値がある、豊かさをもらっているな』と喜びや感謝を持てたとしたら、やはりそんな自分にも価値があると思えた。
私たちって、つい前ばかり見てしまうけれど、振り返る時間もすごく大切。一瞬でも、今までの自分に在るもの・豊かさに視点を向けることができたならば、自己肯定感の低さや不足感から脱出できると思うから。」

 

自分へのダメ出しにストップ!
「その声は誰の声?」

CHICO「でもね、自分が成し遂げたdoingはたくさん認められても、being、つまり『Who am I? 私は誰?』っていう問いには、長い間ずっと答えられなかったの。そこで、自分の生い立ちや今の自分を書き出してみたの。『私は美容室で生まれ育って、5歳からマッサージを始めた人。30代までは馬車馬のように働いて、余暇はなくてもいいと思っていた人……』って、それが良い・悪いではなく、凄い・凄くないとかでもなく、そのまんまの私を客観的に見つめて『私という人間』が浮き彫りになった時、『ああ、私ってこういう人間か、それでいいんだ!』って、BEINGの価値を感じられたような気がする。

それでも時々、『まだ足りない……』って自分へのダメ出しやジャッジにはまって、そうなると負のスパイラルから抜け出せなくなっちゃう(苦笑)。でもそんなときこそ一度立ち止まって、その“不足感”や“ダメダメ思考”にストップをかけて、『なんでそう思っているんだろう?』ってその都度振り返るようにしたの。
そこで気づいたのは、『ありのままの自分じゃダメ』っていうジャッジメントのほとんどは、自分の目じゃないってこと! 
『誰かがそういう目で私を見ているかもしれない、こうしたらこう思われるんじゃないか』って人の目を気にする気持ち。例えば『母親だったらこう思うんじゃないか』とか、誰かの目を通した妄想でしかないことも多くて。
そう気づいてからは、自分へのダメ出しが始まったら、『これは誰の声? それって誰が言ったの?』って自分に問いかけて、『あ、私じゃないな』って気づけるだけでもそのダメ出しやジャッジは消えて『being』の価値に意識を向けやすくなるなって感じるの」

 

モヤモヤしたらすぐに分析。
仕事も心も「棚卸し」でクリアになる

がむしゃらに成果や成功を追い求めたり、「まだ足りない」と不足感から何かを求め続けたりってどこまで行っても終わりがなくて、doingばかりを追いかけ続けるのは苦しいばかり。それよりも大切なこと、誰もがただ、ここに在るだけで価値がある……そんなSelf Worthのエッセンスが自己肯定感を高めてくれたというCHICOさん。さらに40代になったときに経験した、もう一つの大きなブレイクスルーも忘れられないステップだったそう。

CHICO「私はずっと脇目も振らずがむしゃらに働いて、30代もあっという間に終わっちゃって、40歳になる誕生日に初めて、自分が背負ってきたリュックサックの重さに、はたと気がついたのね(笑)。ブランドを立ち上げてから何でも一人でこなしてきたんだけど、もう一人で抱え切れない、手放さないと回らない状況に追い込まれて苦しくなっちゃって。手放すのは怖かったけど、その時にも立ち止まって、『私は何をするのが一番好き? 私が最も得意なことは何?私にしかできない事は?』と自分の役割についてとことん考えて、誰かに頼んだほうがうまくいくことは役割分担しよう、って少しずつ手放すことを始めたら、すっごく楽になれたのね。

何かに行き詰まったとき、私はそうして現状をロジカルに分析して、自分の人生を『棚卸しする』ようにしているんだけど、それは心の面でも同じ。何かに対してモヤッとしたらすぐ、『今なんでモヤモヤしたんだろう?』って分析を始めるの。そこで掘り下げていくと、『あ、私はあの人にこう思われたいと思っていたのか』『自分はこういうことを期待していたのか』『誰かの期待に答える事は今自分がやらなくて良いことかもしれない』などと、たくさんの発見や気づきにも出会える。感情を挟まず冷静にモヤモヤを分析すると、『自分がやるべきことはコレ、逆にやらなくていいことはコレ』などと明確な答えに辿り着けて、そこには感情は伴わない。シンプルにやるべき事をやるだけ!そうするとモヤモヤは消えていくの。だからこそ、心がモヤッとしたらすぐ深掘りしてクリアにしていくことが、私はいつしか習慣になっているの」

 

自問自答を重ねて「ほんとうの自分」に還っていく。
そのプロセスこそが宝物

心の曇りを感じ取ったらすぐにクリアリング…そんな日常の習慣も、CHICOさんらしい晴れやかな明るさの秘密なのかも。
しかし多くの場合、心のモヤモヤや違和感、不安や恐怖、ネガティブな気持ちを感じるとつい、「分かっていても、見るのが怖い」「できれば避けて通りたい」とスルーしたくなるものだ。たとえば「仕事を変えたい、でも辞めるのが怖くて一歩が踏み出せない」なんてことも、きっと多いはず…。そんなときはどうしたらいいか、CHICOさん流のヒントを伺ってみました。

CHICO「恐怖って正体がわらないから恐怖に感じるだけで、じっくり向き合って自分の想いや方向性がハッキリしたら、怖いと感じていたものも実は全然怖くないことに気付けるはず。そのモヤモヤを見るのが怖いときは、まず『なぜ見たくないのか』をさらに掘り下げるといい。見たくないって感じることにも必ず理由があるから、その理由を探求すると、『こんなはずじゃなかった、だから現実を見たくない』など色んな理由が見えてくると思うの。そこからさらに質問して、『じゃあ、何がどうだったら良かったの?』って逆の質問をしてみる。例えば『仕事を辞めたい』と思う人なら、今の仕事や環境に違和感や不満、やりきった感覚…などいろんな理由があるはず。その理由や本音をいったん並べてみて、『私の人生にとって何が大切?』を考えて、その時の自分にとって何にプライオリティーを置くかを選択すると、次の新しい道が始まっていく。その時は先が見えてないから迷うかもしれないけれど、一生懸命出した答えや選択に間違いなんてない!決断したら、絶対に本当の自分が望む方向に向かって進み始めるから安心していい」

自分の心に湧き上がる感情一つひとつにも真摯に向き合って、余計な重荷を見つけたら手放しながら、純粋に自分が望む人生を歩んでいく……。その丁寧な人生のプロセスは必ず唯一無二の「宝物」となって、いつか自分を力強く助けてくれる。どんな選択にも、どんなプロセスにも間違いはないって教えてくれたCHICOさんの言葉には、たくさんの知恵と勇気をもらえる!

 

CHICO SHIGETA

SHIGETA PARIS主宰、ホリスティックビューティーコンサルタント。

美しい肌と体を育むためには心身のバランスこそが不可欠と考え、長年フランスと日本でビューティーメソッドを探求。

その経験と実績をもとにバイタリティー・コーチング®を考案。

ソフィア・コッポラやイザベル・アジャーニといったセレブリティやアーティストのパーソナルコーチとして活動するほか、大手化粧品会社「ロレアル」や美容機器会社のコンサルティング及びブランドスポークスマンとしても活躍中。

『「リセットジュース」を始めよう~パリ美人のダイエット』(講談社)など著書も多数。

オーガニックの素晴らしさやホリスティックなライフスタイルが心身を健康へと導く近道、そのエッセンスを紹介するWebマガジン『Spring Step』 (https://springstep.jp/)の編集長も務める。

SHIGETA PARIS 公式HP
https://shigetaparis.jp/